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歯並びの種類/上顎前突
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上顎前突とは
上顎骨と下顎骨の前後的差異が大きい場合、上顎骨が大きく前方にあったり、下顎骨が後方に位置していたり、この2つを伴うものが、骨格的不調和による上顎前突です。
その他に、上顎前歯が大きく唇側(前方)に傾斜していたり、反対に下顎前歯が大きく舌側(後方)に傾斜していて、上下前歯の切端間距離が、大きくなっているもので、歯の傾斜異常による上顎前突があります。 さらに骨格的な不調和と上下の前歯の傾斜異常によるものが組み合わさった上顎前突があります。
当院の上顎前突の治療例
治療前






治療後






治療前後の顔の変化

症例分類 | 上顎前突(出っ歯) |
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主訴 | 上の前歯が出っぱっていて、デコボコしているのを治したい。口元を引っ込めたい |
年齢 | 15歳11ヶ月 |
性別 | 女性 |
抜歯部位 | 上顎左右第1小臼歯と下顎左右第2小臼歯 |
使用装置 | 歯の表側からマルチブラケットによる矯正装置 |
治療期間 | 2年6ヶ月 |
保定装置 | 固定式布袋装置(舌側)、取り外し式保定装置 |
費用 | 相談料3,240円、検査料37,800円、診断料21,600、動的矯正治療費615,600円、ミニスクリュウネジ代金32,400円、調節量5400円×28回、保定装置料75,600円 |
リスク・注意点 | 下顎骨に対して上顎骨がより前方にあるために、骨格の前後的差異が大きく、上顎前歯が大きく唇側に傾斜しているので、前歯が突出して口が閉じにくくなっている。 改善には上下左右の第1臼歯を抜歯して隙間を作り、この隙間を使って整列し、意識しないでも楽に口が閉じられる位置に前歯を後退させて口唇圧がかかり、前歯が出てくるのを抑制する力が働くようにした。 矯正での歯の移動リスクとして歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死が考えられます。 保定装置の一定期間の装着を怠ると、上顎前歯が出てくる可能性があります。 |
上顎前突になる原因は
先天的な要因として
遺伝的要因があります。上顎骨の過成長や、下顎骨の発育不全、親からの遺伝。家族に同様の骨格の特徴を持つ人がいる場合、同じ形状が遺伝する可能性が高いです。
後天的な要因として
悪習癖として多いのは、幼児期の指しゃぶり、口呼吸、舌突出癖があります。乳歯の早期喪失、アデノイド肥大、歯の萌出余地の不足などがあります。
上顎前突の治療
上顎前突の治療開始時期
成長期(小児期~思春期)
成長期は、骨格の矯正が可能なため、治療に適した時期とされています。 一般的には、7~9歳頃に一度矯正歯科医による評価を受けることが推奨されます。 上顎前突の原因が骨格的な問題の場合、下顎骨が旺盛に成長する思春期の成長スパートを利用した治療が有効です。
成人期
骨格の成長が完了しているため、歯列矯正や補助的な外科矯正が主体的な治療になります。 成人矯正は成長期に比べて時間がかかりますが、適切な治療計画を立てることで良好な結果が得られます。
上顎前突の治療方法
成長期(小児期~思春期)
成長期では、骨格的の不調和の改善ならびに軽減治療
上顎骨の前方成長抑制として夜間に使用するヘッドギアー
下顎骨の前方成長誘導として夜間に使用する咬合斜面板、アクチバートル、バイオネーター
成人期
成人期の顎の成長が、もう終わっている場合は
アンカースクリューを使用して上顎大臼歯を遠心移動させて上顎前歯を後退させる治療
あるいは、便宜抜去を行って抜歯した空隙を使って前歯を後退させる治療
重篤な場合は、外科矯正を併用した治療があります。
上顎前突の治療装置
- 個々の歯にブラケットを装着しての治療
- マウスピース(インビザライン)による治療