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先天性欠如歯とは
先天性欠如歯列(せんてんせいけつじょしれつ)とは、生まれつき永久歯の一部または全部が欠けている状態を指します。第三大臼歯(親知らず)を除く永久歯が1本以上ない場合を先天性欠如と呼びます。これは「無歯症(むししょう)」とも呼ばれ、日本人において非常に高い頻度で発生しており、特に犬歯の後ろの第二小臼歯や下の前歯などが欠如しやすいとされています。
当院の先天性欠如歯列の治療例
治療前
治療後
レントゲン治療前後
| 症例分類 | 先天性欠如(多数歯欠如) |
|---|---|
| 主訴 | 先天性欠如歯4本を治したい。歯の移植を希望。空隙歯列。 |
| 年齢 | 12歳8カ月 |
| 性別 | 女性 |
| 先天性欠如歯部位 | 下顎右側第1小臼歯、左側第1・第2小臼歯、上顎左側第1小臼歯(合計4本) |
| 使用装置 | 歯の表側からのマルチブラケットによる矯正装置 |
| 治療期間 | 5年11カ月 |
| 保定装置 | 固定式保定装置(舌側)、取り外し式保定装置 |
| 費用(税込) | 相談料3,240円、検査料37,800円、診断料21,600円、動的矯正治療費615,600円、調節料5,400円×12回・5,500円×32回・3,300円×8回、歯牙自家移植料金108,000円、保定装置料99,000円 |
| リスク・注意点 |
先天性欠如歯が4本あり、下顎左側は連続して2本欠如していた。上顎右側第2小臼歯を、下顎右側乳臼歯を抜歯した部位に移植した。 上顎の小臼歯は頬舌的に長いため、下顎左側への歯牙自家移植では、歯を捻転させて歯槽骨からはみ出ないように移植した。治療中に捻転を改善し、上顎の歯との緊密な咬合関係の獲得を図った。歯牙自家移植を行ったため、上下左右1本ずつ抜歯して治療した症例となった。 先天性欠如歯が4本あったが、歯牙自家移植を行ったため、ブリッジやインプラントを使用せず、すべて自分の歯で咬合できる状態になった。 矯正での歯の移動のリスクとして、歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死が考えられます。 保定装置の装着を怠ると、後戻りによる叢生(不揃い)が生じる可能性があります。 |
先天性欠如歯列の主な原因と問題点
先天性欠如歯列の原因
先天性欠如歯列の原因は、まだ完全に解明されていませんが、遺伝的な要因が関与していると考えられています。
親や兄弟に先天性欠如歯の人がいる場合、子どもにもその傾向が見られることがあります。
放置すると起こりうる問題
歯列の乱れ
歯が欠けているスペースを埋めるために、隣接する歯が傾いたり、移動したりして、歯並び全体が乱れることがあります。これにより、すきっ歯(空隙歯列)や噛み合わせの不調和を引き起こす可能性があります。
噛み合わせの不調和
歯の本数が少ないことで、噛む力が分散されず、残っている歯や顎関節に負担がかかることがあります。
咀嚼・発音機能への影響
歯がないことで食べ物をうまく噛み砕けなかったり、特定の音を発音しにくくなったりすることがあります。
審美的な問題
歯の隙間が目立ち、笑顔に自信が持てなくなることがあります。
乳歯の長期残存
永久歯がない場合、その乳歯は抜けることなく長期間残る場合があります。しかし、乳歯は永久歯よりも根が短く、弱いため、将来的には抜けてしまうリスクが高いです。
先天性欠如歯列の治療方法
先天性欠如歯列の治療は、年齢や欠如している歯の本数、歯並びの状態によって異なります。
矯正治療
欠如しているスペースを隣の歯を動かして閉じたり、逆にスペースを確保して将来的に人工歯を入れる準備をしたりします。小児期から矯正治療を行うことで、成長を利用してより良い治療結果を目指すことができます。
補綴治療
ブリッジ
欠如した歯の両隣の歯を削って、そこに人工歯を被せる方法です。
インプラント
顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を被せる方法です。周囲の歯を削る必要がないため、健全な歯を保つことができます。
部分入れ歯
欠如した部分を補うための取り外し可能な入れ歯です。
治療計画を立てる際のポイント
- 前歯の欠如 → 審美性が最重要 → 矯正 or インプラントが第一選択
- 小臼歯の欠如 → 咀嚼・噛み合わせが課題 → 矯正で閉じるか補綴で補う
- 親知らずの欠如 → 基本的に問題なし
- 乳歯が残っている場合 → 長期的に使えるかをレントゲンで確認してから計画
先天性欠如歯は早期発見が重要です
どの治療法が最適かは、個々の口腔内の状態や年齢、生活習慣などを考慮して歯科医師が判断します。
先天性欠如歯は、早期に発見して適切な治療計画を立てることが重要です。気になる場合は、歯の移動ができる矯正歯科医院で相談することをお勧めします。