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歯並びの種類/上下顎前突
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上下顎前突とは
上顎と下顎の両方の前歯が、正常な位置よりも前方へ突出している状態を指します。両突顎(りょうとつがく)」とも言われます。
一般的には「出っ歯」と呼ばれる不正咬合の一種です。
単に上の前歯だけが突出している場合(上顎前突)や、下の前歯だけが突出している場合(下顎前突)とは区別されます。上下顎前突では、口を閉じようとすると上下の唇が緊張したり、無理に閉じると顎の先に梅干しのようなシワができたりすることがあります。
上下顎前突の主な特徴
- ・上下の前歯が前方へ突出している: 横から見ると、鼻の先端よりも唇が前に出ていることが多いです。
- ・口元の突出感: 口全体が前に突き出たような印象を与えます。
- ・唇の閉じにくさ: 無意識に口が開いていたり、閉じようとすると力を必要としたりします。
- ・ガミースマイル: 笑った時に歯茎が見えやすいことがあります。
- ・咀嚼や発音への影響: 程度によっては、食べ物を噛みにくかったり、特定の音を発音しにくかったりすることがあります。
当院の上顎前突の治療例


症例分類 | 上下顎前突 |
---|---|
主訴 | 上下前歯が出ているのを治したい。口元を引っ込めたい |
年齢 | 33歳7ヶ月 |
性別 | 女性 |
抜歯部位 | 上下顎左右第1小臼歯 |
使用装置 | 歯の表側からのマルチブラケットによる矯正装置 |
治療期間 | 3年3ヶ月 |
保定装置 | 固定式保定装置(舌側)、取り外し式保定装置 |
費用 | 相談料 ¥3,300,検査料 ¥44,000,診断料 ¥27,500,動的矯正治療費 ¥726,000,ミニスクリュウネジ代金 ¥55,000,調節料 ¥5,400 X 39回,保定装置料 ¥77,000 |
リスク・注意点 | 下顎骨に対して上顎骨がより前方にあり、骨格の前後的差異が大きく、上下前歯が大きく唇側に傾斜しているので、前歯が突出して口が閉じにくくなっている。 改善には上下左右の第1小臼歯を抜歯した空隙を使って前歯を後退させて整列し、意識しないでも楽に口が閉じられる位置に前歯を後退させ、口唇圧が作用して前歯が出てくるのを抑制する力が働くようにした。 矯正での歯の移動のリスクとして歯根吸収、歯肉退縮、歯髄壊死が考えられます。 上下の前歯が後退して口腔内の容積が小さくなっているので、舌がこれに適応するまでは、保定装置の一定期間の装着を怠ると、前歯が出てくる可能性があります。 |
上下顎前突の原因
上下顎前突の原因は一つではなく、いくつかの要因が複合的に関わっていると考えられています。
先天的な要因として
親子や兄弟姉妹に上下顎前突の人がいる場合、遺伝的にその傾向を受け継ぎやすいことがあります。顎の骨格的な特徴や歯の大きさなどが遺伝する可能性があります
後天的な要因として
生活習慣
- 指しゃぶり: 長期間にわたる指しゃぶりは、前歯を前方へ押し出す力となり、上下顎前突を引き起こすことがあります。
- 舌を突き出す癖(舌突出癖): 飲み込む時や安静時に舌を前歯の裏側に押し付ける癖があると、歯が前方へ移動することがあります。
- 口呼吸: 慢性的な鼻詰まりなどで口呼吸をしていると、舌の位置が下がり、上顎の成長を阻害し、相対的に下顎が前に出て見えることがあります。
骨格的な要因
- 上顎と下顎の成長バランスが悪く、両顎ともに前方へ成長しすぎることがあります。
上下顎前突の治療
上下顎前突の治療は、原因や症状の程度によって異なりますが、主に歯科矯正治療が行われます。
矯正治療
- ・ブラケットやマウスピースなどの矯正装置を用いて、歯を正しい位置に移動させます。成長期であれば、顎の成長をコントロールする矯正治療を行うこともあります。
外科的矯正治療
- ・骨格的な問題が大きい場合は、矯正治療に加えて外科手術が必要になることがあります。顎の骨を切って移動させ、理想的な顎の位置関係を確立します。